【修復保存 3年】絵画修復:補彩の課題

修復保存コースの3年生は絵画作品の修復で用いられる、補彩の課題に取り組んでいます。
補彩とは、絵画作品などの画面上に生じた欠損に描画を施し、目立たなくさせる技術です。
様々な種類の補彩がありますが、今回は色の線を用いた線描の補彩を学びます。

 


修復の現場で使われることがある不透明水彩を使用します。
見本と同化するように線を描画していきます。
線を重ねるハッチングに似ていますね。

 


そして使う色は赤、青、黄、黒のみ、絵具チューブから出したままの色を使います。
色の濁りを防ぐために、混色しません。

 


ではどうやって色を作るのかと言うと…。
色と色を隣合わせることで、新たな色を作っていきます。

パレット上で絵具を混ぜて色を作る(混色)のではなく、目の中(視覚)で色を作る、すなわち視覚混合の原理です。
黄と赤を隣り合わせて、遠くから見ると、橙に見えるってやつですね。

 


繊細な線をたくさんひいていきます。
小さな面積ですが時間がかかります。

 


集中し黙々と取り組みます。

 


何度か練習し、コツがつかめてきました。

 


できあがりはこちら。

ぱっと見て、同化していますね!

次の課題では図像のある絵を補彩していきます。