こんにちは、修復保存研究室です。
2022年度卒業制作展が無事に終了しました。
今回は展示の様子をご紹介します。
修復保存専攻では、卒業制作として作品を修復・制作するだけでなく、作品に関連した論文や修復報告書を執筆します。
卒業制作展では、卒業制作作品とあわせて論文内容をまとめた解説パネルが展示しました。
今年も書籍の修復や額縁の修復、仏像の修復、テンペラ画の部分再現模写、掛け軸に関する研究といった、多種多様なテーマにじっくりと取り組みました。
学内展の様子。ブースで区切られたスペースに、作品と解説パネルなどを展示しました。
【掛け軸の仕立て修復保存】
掛け軸を修復する前に、まずは自分で掛け軸を仕立て上げ、構造を理解していきました
(この掛け軸の絵は学生本人が描いたものです)。
掛け軸を安全に保管するための保存箱も自分で作りました。
【額縁修復-額縁装飾の返還と損傷-】
こちらは作品の修復ではなく、額縁の修復です。
額縁がどのように壊れていたのかがわかるように、説明付きのパネルを置いて修復前後が比較できるようになっていました。
修復に使用した道具・材料も展示してました。
【テンペラ画における肌色の研究-ルネサンス期の作品模写から学ぶ下色がもたらす効果-】
ルネサンス期のテンペラ画の肌の描画方法について、絵具の種類や色の重なり方に着目し部分模写を行いました。
研究に使用した道具・材料なども展示しました。
【図書館における本の保存-本の損傷に対する修復と対策-】
修復した書籍を並べて展示しました。また、修復工程の動画を展示し、作業内容がわかりやすいよう工夫していました。
展示台に鏡を使用することで、修復した書籍を多方向から見ることができます。(ナイスアイデアですね!)
【脱活乾漆技法と木心乾漆技法の比較研究-宮城県興福寺蔵 十六羅漢像修復を通して-】
仏像から失われた両手を作り直しました。両手の作成に必要な技法も研究し、制作工程を解説しました。
作業内容がわかりやすいように動画と道具も展示しました。
修復保存コースで学んだことがぎゅっと詰まった、充実した卒業制作展でした!
学内展、学外展にお越しいただいた皆様、応援していただいた皆様、本当にありがとうございました。
4年生のみなさん、卒業制作から展示までの期間、お疲れ様でした。
ご卒業おめでとうございます!