こんにちは、修復保存コースです。
2023年度卒業制作展が終了しました。
今回は展示の様子 その① をご紹介します。
修復保存専攻では、卒業制作として作品を修復・制作するだけでなく、作品に関連した論文や修復報告書を執筆します。
卒業制作展では、卒業制作作品とあわせて論文内容をまとめた解説パネルを展示しました。
今年は修復保存専攻では歴代最多の7名の展示となり、同じ油彩画修復でもアプローチの仕方が違ったり、様々な紙作品の修復・保存方法があったりと、見応えのある卒業制作展となりました。
【軍用手票における修復処置と保存方法の研究】
戦時中にお金のように使用されていた軍用手票の保存方法に着目し、保管するための容器を学生自身が作りました。
見る人に伝わりやすいように作品の損傷・劣化要因や保存方法を説明する動画も制作しました。
【美観修復-油彩と額縁の修復方法の比較と事例-】
油彩画作品の修復と額縁の修復を行いました。修復工程の特に補彩(損傷箇所を目立たなくするために着彩をする修復方法)を比較し、それぞれの修復の特徴を調べました。
【図書館(公共図書館・大学図書館)における、図書の背表紙と屋外ポスターの色褪せ対策についての提案】
屋外で掲示されているポスターが色褪せているのを見かけた経験から、印刷物が色褪せてしまう原因を探るための実験を行いました。
また、実験だけで終わらず、具体的な対策の提案も行いました。
【油彩画における剥落について-油絵具の損傷実験とその対策-】
剥落損傷が多い油彩画作品の修復に取り組みました。
この油彩画作品の特徴である多層構造かつ剥落が多く見られる点に着目し、油彩画作品の剥落原因を考えるための実験・観察を行いました。
(その②に続きます。)