photo: Nehrams2020(Wikipediaより)
蔡國強。
日本でも有名な、海外をまたにかけて活躍する中国人アーティストです。
火薬を撒いて爆破させて描く巨大ドローイングで有名ですね。
今回、なんと蔡氏からのオファーにより、本学学生が新作の共同制作を行うことになりました。
蔡さん、とても穏やかで大らかな方です。作品からは想像できないです。
なんというか、立ち振る舞い、一つ一つの言葉に自然を感じます。
ヘアスタイルもイカしてます。
さて、約60名にも及ぶ横浜美術大学チームは、テラコッタ製の朝顔を600個つくって、巨大なインスターレションを作成することになりました。
毎週水曜日に集まり、ひたすら粘土をこねて、ひねって量産しました。
何個か作ると手が形を覚えてしまうので、意外と作業がはかどります。
量産した朝顔は、大学で焼成し、美術館にて蔡さんの火薬パフォーマンスを通じて仕上げです。
ここまでの様子は、共通実技研究室の助手さんたちがupしてくれていますので、そちらをどうぞ!
このブログでは、作品組み上げから、もう一つの火薬ドローイング作品のお手伝いのレポートです。
ちなみにこれは、爆破を待つ朝顔たち。シートの下にいます。
なんか、これだけでインスタレーションになってますね。
「もの派ですねー」と蔡さん。
そして爆破後の朝顔たちがこちら。
印象変わりますね。趣き出ます。
さて、この《日本の蔓》の制作の合間に火薬ドローイング作品のお手伝いもやりました。
入り口のでかい空間で爆破するわけです。
巨大なカンバス4枚分の組み作品を、1日に1点制作します。
カンバスに型紙を敷いて、火薬を振りまいて、型紙どけて、もう一回火薬を巻いて、グラシン紙敷いて、ダンボール敷いて、レンガで重石をする。めんどくさいけど、大事なプロセス。
これをサクサクとこなすスタッフの段取り力が素晴らしい!見習わないと。
で、用意が整ったところで、蔡さんが導火線に点火。
ものの1秒くらいで爆破完了。
サイコー。
これはですね、実際に体験しないと醍醐味は伝わりません。
爆破後は急いで残り火を消して、ススを大まかに落として行きます。
みてください、この素晴らしさ。
今回は春画がモチーフです。下絵はもっと過激だけどね。
なのにこの季節感。自然。そしておおらかさ。
もつれあう男女の太ももには、実は花札の刺青がしてあるって趣向。鮮やかでかっこいい!火薬でこんなに色がでるんですね。
しかし、以前ギャラリーで働いていたから思うのですが、よくこんなのお役所が許したなあと。
聞けば、ながいながい交渉の末、美術館の壁面床面が御影石?なので許可が下りたそうです。
丹下健三さまさまですね。
私も、以前勤めていた大学ギャラリーでいろんなことをやってきましたが、展示施設って自由なようで結構自由じゃないんですよ。芸術だからってなんでも許されるわけじゃない。でも、そこに守らなければならない自由、表現しなければならないものごとがあるのなら、それは絶対にやらなければならない。負けちゃダメです。今の時代、特にね。
それを実現に向けてしっかりマネジメントするのが、キュレーターの腕の見せ所。熱意とロジックとネゴシエーションにつきます。
さて朝顔制作は、こんな感じです。
高所作業が伴うので、我々のできるところはここまで。
あとはスーパーファクトリーさんというかっこいい名前の施工業者さんが取り付けてくれます。
結局、完成を見ることなくワークショップを終了したのですが、オープニングが待ち遠しいですね。
内覧会、授業サボっていこうかな。
参加してくれた学生の皆さん、本当にお疲れ様、ありがとう。
いい体験できたね。
楽しかったね。
「総合美術演習」担当教員