絵画・紙・立体の修復技術を学ぶ修復保存コースの3年生。
前回に引き続き、前期に行われた絵画修復の授業「テンペラ黄金背景(イタリア古典絵画)」の様子を紹介します(最終回です!)。
金箔がしっかり定着したのを確認したら、いよいよ描画です!
油絵具が開発される前、イタリアでは顔料(色の粉)にある物体を接着材として混ぜて、絵具としていました。
それは「卵」です!
今回は卵絵具、すなわちテンペラ(tempera)を使って描画します。
まずは卵から絵具の素となる液(卵メディウム)を作ります。
卵の黄身だけを優しくつまんで、、、
中身だけを抽出!白身やカラザは使いません。
抽出した黄身にワインビネガー(酢のようなもの)と水を加えよく混ぜて、卵メディウムの完成です!
描くときは、パレットに少量の顔料をとって、卵メディウムと混ぜ合わせます。
ちょっと試し描き。まるで水彩みたいな描き心地です。
艶がないマットな質感があり、独特の色鮮やかさ。
絵に合わせて、顔料を選び描画します。
色がたくさんあって悩んでしまいますね。
細かな描画には面相筆を使います。
花びら1枚1枚がしっかりと描かれています。
テンペラ絵具は油絵具よりも乾燥が早いので、どんどん描画することができます!
最後の仕上げの一筆、、、気を抜かずに!
素敵な黄金背景テンペラ画が完成しました!
三者三様、刻印や盛り上げデコレーションなど、黄金が映える作品となりました!!
古典技法を学び、絵画への理解が深まったようです。
きっとこの経験が今後の絵画修復に活かされるはずです!