こんにちは、修復保存コースです。
前回に引き続き、2023年度卒業制作展の展示の様子 その② をご紹介します。
【剥落しやすい油絵具の顔料の特徴-様々な種類の顔料による損傷実験とその考察-】
油彩画修復を行いました。この作品の暗い色の部分が特に激しく剥落していたことから、暗色の絵具に原因があるのではないかと仮説を立て、剥落の実験・考察を行いました。
また、作品のそばに修復前の写真を置いて、わかりやすい展示になりました。
【書跡「農為国本」(扁額)の修復-脆弱化した和紙に対する修復保存処置-】
実家に長年飾られ続けていた紙作品を修復しました。
この作品に対してできる修復・保存処置が何かを考え、作品のクリーニングから、新しいパネルへの張り込み(木枠が激しく変形していました)、額縁選びまで丁寧に行いました。
【絵画修復-油彩画におけるニスの変色について-】
油彩画の修復を行いました。修復処置を工程で比較できるように、時系列ごとにブロックに分けて段階的に修復しています。
特にニスの変色が目立つ作品だったため、ニスの変色要因を調べ、作品に適切なニスを選択できるように、さまざまな種類のニスの塗布実験を行いました。
修復保存コースで学んだ内容から、それぞれのテーマに全力で取り組み、追求した卒業制作になりました。
学内展、学外展にお越しいただいた皆様、応援していただいた皆様、本当にありがとうございました。
4年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます!