【修復保存 3年】立体修復:仏像修復③

修復保存コースの3年生は立体作品修復の授業で、仏像の修復に取り組んでいます。

今回、仏像の光背を制作しました。


こちらの仏像には、光背と呼ばれる仏身から発する光明を表現する装飾が付属していました。

 


後の時代に作られたもので、経年劣化などにより、形が歪み、今にも崩壊しそうです。
再び取り付けるのが難しそうなので、光背を新しく制作することにしました。

 


まずは粘土で原型を作ります。

 


形を整え乾燥させた後、漆を含ませた麻布を貼り付けていきます。

 



この技法は乾漆(かんしつ)という、伝統的な仏像制作方法の一つです。
軽く丈夫なのが特徴です。

 


乾燥させて、切り出します!慎重かつ大胆に!

 


切り出したら原型となった粘土を取り出します。

 



彫刻刀やヤスリなどで形を整えていきます。

 


きれいな円になりました。

 

次は金箔を貼ります。


本物の金なので、ちょっと緊張しちゃいますね。

 


全面に貼りました。この輝き!

でもちょっと輝きすぎているので、
時間が経過したときの古びた色(古色)に彩色します。

 


叩くようにじっくり塗っていきます。

 


まるで数十年経ったかのような質感になりました。

こうして制作した光背を修復された仏像に取り付けます。
前回のブログで紹介した台座にのせて、記録撮影を行い、仏像修復の完成です!

 

修復前はこちらです。

今回の修復では、全体の汚れを除去し、光背を新しく作りました。
制作した台座によって、安定するだけでなく、損傷を防ぐことができます。

みんなの共同作業によって修復を終えることができました。

お疲れ様でした!