[プロダクトデザイン3年] プロダクト表現Ⅳ  講評会

先週はPD3年の今年度最終課題の講評会でした。

課題は「UI(ユーザーインターフェイス)デザイン」(注1)
それってプロダクトデザインなの??と思うかもしれませんが、
実はUIザインとその基本となるUXデザイン(注2)は、
プロダクトデザインととても深い関係があります。
リアルとバーチャル、その表現の違いはありますが、
本質的には、同じと考えて間違いありません。
皆さんが普段使うスマホやPCやテレビなどを見れば、カタチと
画面が融合して使いやすさや魅力が現れている事が解ると思います。

今日はその講評で発表された提案のいくつかをご紹介しますね。

■まわり道ナビ
ナビゲーションは、目的地まで効率良く(短時間で)着ける
道順を示すための進化を続けてきましたが、この学生は、
「旅」の行程こそ大事だと考え、効率ではなく気分や暇潰し
に特化したナビを提案しました。
思い出をめぐる、、、
20分の時間潰し、、、
画像に似た景色に出会いたい、、、
利便性が重要視される今だからこそ、そんな人の気持ちや
事情に寄り添った、良い視点だと思います。

■宿題忘れを防ぐアプリ
この提案は、宿題忘れで怒られる子供(笑)や宿題管理で
大変なお母さんやお父さんを少しでも楽にしてあげたい、、
と言う趣旨のアプリケーションです。
きっかけは「宿題忘れ防止」ですが、先生と子供と保護者
が連携して子供の教育をサポートする内容になりました。
世の中の製品の多くは、立場の異なる複数の当事者が
関わりますが、この提案にはそれぞれの当事者を考えた
仕組みや機能があり、完成度が高い提案になっています。

■バーチャル風景窓
この提案は、殺風景で見飽きた景色の住居の窓を、楽しく
魅力的にする仕組みを提案です。
窓自体に別の風景を投影したり、思い出の画像や動画を
投影したり、あるいは、イベントに応じたコンテンツや
画像を加工して楽しむアイデアも盛り込まれています。
普通に考えると大変高価な仕組みになりますが、5年後
10年後を想定すれば、そんなに大それた事ではなさそう。
プロダクトデザインは、現実的なことだけでなく、
そんな将来の理想像を目標にした提案もすべきなんです!

■オリジナルアロマ作成アプリ
こちらの提案は、コロナの影響含めたストレスの多い
現代の生活者を対象に、自然由来の香りでリラックス
して貰いたいと考え、ユーザーの症状や希望に合った
香りやその組み合わせをお勧めするアプリです。
アロマに詳しくないユーザーが使いやすい様に、設問
に回答してゆく事で目的にあった香りに出会える仕組み。
アプリだけでなく、香りのサンプルや製品、パッケージ
まで作って、完成度の高い提案とプレゼンになりました!

この他にも、日本で暮らす外国人向けのコミュニティ
サイトや、「衝動買い」をテーマにしたECサイトなど、
それぞれ独特の視点の面白いテーマで、しっかりUXと
UIの基本を学べましたよ!!

いよいよ4月からは最終学年の4年生。
4年次の課題は、全て自身でテーマを決め計画立てて
自主的に行動する事になります。
2年次3年次で学び身につけた事を総動員すれば、きっと
有意義な活動になるでしょう!

楽しみながら、一生懸命行動しましょう!!

まあ、まずは一休みしてからね!

注1:UIデザインとは、
UIデザインとは、人とモノ(アプリ含む)の境界をデザイン
する事を指します。
ボタンは機械と人間を繋ぐ境界にあるモノですよね?
アプリで言うと、画面上のキーのグラフィックデザインが
それにあたります。

注2:UXデザインとは、ユーザーエクスペリエンスデザインの
略で、インターフェースデザインの基本となる設計の様な
もの。なぜ?誰が?どんな時に?どんな気持ちで?
どんなふうに使うのか?をよく考え、使いやすく魅力的な
モノ(アプリ)の在り方を求める事を指します。