石彫(彫刻基礎Ⅰ)〜鑿の焼入れ編〜

2年生の石彫の授業で、鑿(ノミ)の焼入れが行われました。

石彫で使用する道具の中でも、鑿はハンマーで打ち付けて石を彫るのに用いられます。

その鑿の先端を固く、強くするために行う作業が、焼入れです。

何をするのかというと、鑿の頭部(ハンマーを打ち付ける場所)や先端の金属を熱して焼き、
水や油を使って(写真だと黒い液体)一気に冷却します。

 

赤くなるまで熱した刃先を

水の中に入れて冷却します

 

熱を加えることにより鋼は柔らかくなり、無秩序に並んでいた分子が秩序を持った状態になります。
そこで急速に冷却することによって、分子が規則正しく並んだ状態のまま固まります。
この状態の鋼は非常に硬くなります。

 

お手本に鑿の頭部を焼き、叩いて見せてくれる平井先生

 

料理人が料理を始める前に包丁を研ぐように、
彫刻家たちも石を彫る前には道具のメンテナンスをします。

彫刻に限らず、自分たちが扱う道具はしっかり手入れし、大切に使いたいですね。

 

それでは今回はこの辺で…

ご安全に!!