【修復保存 3年】紙の修復:版画作品の修復

絵画・紙・立体作品の修復技術を学ぶ3年生。
紙作品修復の授業では「版画作品の修復」に取り組んでいます。

この授業では、それぞれ版画作品1点を修復します。
実際の作品を扱うので、毎回緊張しちゃいますが、がんばっています!

まずは作品の状態を調査します。
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版画には様々な技法があり、いろいろな素材が使われています。
作品がどの技法で作られたのか、和紙か洋紙か、描画材は何なのか、観察し、検査や分析を行うことで判断します。

紙の状態を知ることはとても重要です。
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紙のpHを測定し、見た目ではわからない紙の性質(酸性、中性、アルカリ性)を調べます。

 

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紙によって厚みもそれぞれ。器具を使ってきちんと測ります。

 

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作品のどこにどんな損傷があるのか、図入りでスケッチし、記録します。

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調査した項目をまとめて、調査書が完成です!

 

この結果から、修復の方針を検討し、実際に行う処置を決めていきます。

今回の作品は、汚れが目立つものの、破れなどの大きな損傷はありませんでした。
できる限り、汚れやシミをとっていきましょう!

まずはドライクリーニングから。
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水などは使わず、刷毛で優しく表面のホコリなどを除去します。

 

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さらに、粉消しゴムで汚れを取っていきます。
不思議な感触の粉消しゴム。袋を揉むと砂粒状の消しゴムが溢れ出てきます。

 

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粉消しゴムを撫でて汚れを吸着します。
作品を傷めないように、優しくそっと丁寧に。

なんだか作品が一段階明るくなった気がします!

次回は水を使った洗浄を行います。

作品がどのように修復されるのか、楽しみですね!