【C系1年】プリミティブダイイング(原始染色)講評会

クラフトデザイン研究室 テキスタイルデザインコースです。

C系1年では「プリミティブダイイング(原始染色)」を主題とし、「染め」と「染み」の違いを理解する、テキスタイルとしての第一歩を踏み出す授業を行いました。

 

「染め(そめ)」と「染み(しみ)」、その違いとはいったいなんでしょうか?

その二つは奇しくも同じ漢字を持ちますが、おおよその人が違う印象を持つかと思います。

原始から伝わり、今の時代に活きる「染め」。その理解を深めるため、様々な実験を行いました。

まずは、真っ白な生地を徹底的に汚します。

生憎の雨模様でしたが、学生達は傘もささず構内を歩き回り、布を引きずり回します。

そうして出来上がった布はもちろん「汚れた布」

とても「染めもの」とは言いがたい品物です。

 

しかし、この布を起点とし、講義は始まります。

古代から始まった染色の歴史を紐解き、科学的な側面からもアプローチを行った講義は大変興味深く、熱心に聞き入る学生も多数いました。

小さい頃から使われているクレヨンや不透明絵の具と染料の違いや、植物、動物から採取される染料の紹介。

真っ白なシャツに飛び散ったカレーの「染み」、ターメリックで染めた美しい絹の生地。その違いとはいったい、、、?などなど、

話題は尽きる事無く、「テキスタイル」への世界へと意識を誘います。

 

そうして得た知識をもとに、天然素材の白いシャツを、野草や野菜などの染料で染めるのが、次の課題となります。

学生各々のアイデアをいかに実現するか。先生方と綿密に相談を重ね、幾度も実験を繰り返し、「染め」を形にしていきます。

赤ワインや紫キャベツ、笹の葉にタマネギの皮を使用し、絞り技法やろうけつ技法、果てには漂白まで、ひたすら実験です。

 

最終的にはこの服を身に纏い、「ファッションショー」を行いました。

ファッションショーでは、作り上げた作品をもとに他のファッションもトータルでコーディネートし、より完成度を高めていきます。

さらには、学生たち自ら教室を会場へと作り上げ、照明も自分たちで調整しました。

準備ができたら、先生自ら学生達のウォーキングをチェック。その姿を全て撮影し、終わったら全員で歩き方のチェック。

細かいところまで詰めていきます。

 

最初は恥ずかしがりながらもウォーキングしていた学生も、本番の頃には堂々とした姿に。

颯爽と歩く姿に、自然と拍手があふれる場面もありました。

そして最後に講評会。

ひとりひとり、今回の授業、ファッションショーを振り返り、コメントしました。

 

 

普段私たちが着ている服は、洗濯しても色は落ちないし、とても鮮やかな色だったり、濃い色だったり、色彩は無限にあります。

しかし、そこに行き着くまでには、過去の先人たちが経験を積み重ねられてきました。

このスタートラインをきっかけに、色への興味を更に膨らませてもらえたらと期待して止みません。